CSセット

CVがあるから病衣は借りるとしても
タオルくらいレンタルはやめようかな
もう2ヶ月少しでも家のものに触れてほしい
何かしていると自己満足を得たい
家のことをしているけど
母に食べてほしい
母の洗濯物がひとつもない
してあげたかったのは、母に対してなのに
もっとちゃんとしておけば良かった
向き合って丁寧に過ごしておけば良かった
寄り添って一緒に通院すれば良かった

胃瘻

希望する転院先の受け入れ条件の一つ
覚悟はしていたけど
せめて転院してから相談できると思っていたのに
今の病院で胃瘻を作って欲しく無い
安全に造設して管理できると思えないから

胃瘻をしたら、この先、それのせいで生きながらえることがあるかもしれない
ベッドの上で何かをひとつずつ諦めていく母を見ることになるだろう
きっと今も一人でたくさんのことを諦めているはず

仕事中

母のことをふっと思う
私の食生活は無茶苦茶だけど、チョコ食べたいと思ったら食べられるのよね
母は思っても実行できない
喋りたくても話せない
動きたくても僅かに腕が上がる程度
これからも?
そんな恐ろしい環境でなお頑張ってほしい、生きてほしいと思う私は鬼やね

夢を見た

リビングのテーブルで
父と母と3人食事をとってた
こんなに良くなって良かった、って母が言って
熱が上がったり下がったりで大変やったんやぞって父が言って
私は次に目を開けたら夢だって現実が待っていると思いながら半信半疑で喜んでいた
ああ、
夢だったわ
私はなんにも信じないんだね

世界は美しいと言わせてほしい

白い職業服を纏って
看ているのは他人の親
はるかに長生きな高齢者たち
死にたいと元気な声で言われ
不味いわと確かな嚥下機能をもって言われる
私のかける言葉の優しいこと
なんと滑稽なこと

苦しまなければ生きられないし死ねないのか
五体満足にあの世に行くのは、そんなに難しいことなのか
今まで看取らせてもらった人たちの体の美しいこと、優しいこと
凄惨な労苦とあの一時を一生後悔する絶望の最中に向き合う家族の捨身の姿を思い出す
夜中の散歩の、あの時間
足音は心のひしゃげる音のよう
安息は、どう
美しい朝陽が差し込んでいることを願う

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